メーカーや小売は環境破壊や汚染のおかげで利益を上げ、消費者の多くは環境破壊対策は他人まかせでわが身の安全だけを消費している。
どっちもどっちだ。
『たためる帽子』をきっかけに、私の内部でフロンへの関心が高まっていった。
フロンは冷蔵庫、エアコン、除湿機などの冷却材として使われている。
その後まもなく、オゾン層を破壊してしまう特定フロンの製造は国際的に中止されたが、その代りの代替フロンは放出されると地球温暖化を促進してしまうフロンだった。
フロンを1切使わない冷蔵庫や除湿機はないものか。
96年4月にイタリアのデロンギ社が初めて『ノンフロン除湿機』を発売した。
よし、来年からはこれに切り替えよう。
しかし、わが国の小売ルートはどこも扱わないとあって、輸入量は私のところの買取り量だけ。
少量すぎて価格が6万9800円になってしまった。
こんな価格で売れるのだろうか。
それでも買ってくださる本誌読者に心の底から感謝」と03年夏号に書いた(冷蔵庫については、『ノンフロン除湿機』の販売に遅れること2年後の99年秋号からスウェーデン製の『ノンフロン冷蔵庫』を販売できるようになった)。
しかし、考えてみると、「ノンフロン製品を売る」ということは、「それまで使っていたフロン製品を廃棄しなさい」ということである。
勝手に廃棄されたら、その中のフロンが空気中にまき散らされて、なんのためにノンフロンにこだわるのか、わからなくなる・…‥。
そこで、97年夏号に『ノンフロン除湿機』の販売スタートと並べて、次のような「社告」を出した。
「UVカット製品を売って利益を上げられるのはフロンのおかげだからフロン回収に少しは吐き出しなさい。
廃棄したい冷蔵庫、除湿機、小社でフロン回収、処理します。」
この廃フロン製品回収システムをつくるにあたっては、それまでフロン抜き取り処理に孤軍奮闘で取り組んでいた解体業者の宇津木浩一さんにずいぶんお知恵を拝借した。
いや、お知恵だけではない、宇津木浩一さんの存在そのものが私たちに大きな影響を与えた。
なにしろこっちは、これまでピカピカの新品を扱った経験しかなかったのだったからね。
宇津木さんの仕事場で初めて「商品の高齢化社会」を目撃した私たちはショックを受けた。
古い冷蔵庫には冷媒のコンプレッサーに約90グラム、本体の断熱材に約500グラムの特定フロンが内蔵されている。
しかし、断熱材に含まれているフロンを抜き取るためには大がかりな装置が必要で、それは地方自治体にはないものだった。
て、『通販生活』読者から回収した廃冷蔵庫や魔除湿機のフロンのまるごと抜き取り処理を進めてきたが、やっと01年度から家電リサイクル法が施行されて、靡冷蔵庫に関しては小売店経ル法にもとづく廃冷蔵庫のフロン抜き取りの現状については、枝廣淳子さんの「回収ルートをしてみてください。
トップの見出しは「家電リサイクル法が施行されるまで、冷蔵庫は理め立てられていた。」である。
カタログ雑誌の雑誌のスペースはこういうときに有効に機能する。
家電リサイクル法の対象外商品である廃除湿機、廃冷凍庫のフロン抜き取り現状はどうなっているのだろう。
心配になったので、全国47都道府県の環境担当課に取材したところ、粗大ゴミとして破砕して埋め立てる以前にフロンを抜き取って無害化処理を実行していると思われる自治体は10しかなかった。
突出していたのは滋賀県で、家電リサイクル法以前の00年3月からフロン回収・無害化を定めた条例をつくって実行していた。
現状は、家電リサイクル法の規制を受けない廃除湿機や廃冷凍庫の大半は家庭から自治体へ、そして埋め立てへと流れているのである。
自治体はもっともっとフロンを抜き取って無害化してくれないといけません。
蔵のため引取り拒否のケースが多い。
名古屋市のように「オイルを抜いてあれば1,000円で引取る」ケースもある。
ためリサイクル率は不明。
運輸を利用してそれぞれの回収元に返品した場合の配送料金。
ネックは送料だ。
右の表を見てください。
廃除湿機を消費者が私どものフロン製品回収係まで届けるのに、大阪からだと平均して18その代り、自治体に出せば、いまのところはただの埋め立てになってしまう。
先の除湿機98人、冷凍専用庫28人の読者は、家電リサイクル法では回収を義務づけられていない商品を、あえてソンを承知で送ってきてくれた心やさしい消費者なんだ。
「たった、それだけ」なんて言ったら失礼だぞ。
フロン商品の回収をきっかけにして、翌98年から一般商品の回収リサイクルを実行することにした。
おのれの行動に1貫性、整合性を求めたがるのはヒトの特徴だからね。
廃品という名前の資源を焼却したり埋め立ててしまうのはもったいない。
これって九〇年代に顕著になった常識だ。
新しい常識はすぐに実行しないと、と思った。
ビジネスの要諦は「世間の常識とどう向き合うか」だ。
世間の常識に逆らったら信用されない。
といって、迎合するだけでも信用されない。
世間の常識とは、次の三つだ。
ビジネスに必要なのは脚と鰍セけど、とくに重要なのが梶B
いまは少数派だけど、いずれは主流になっていく新しい常識。
企業が消費者に信用される最大の戦略はこの「新しい常識」をないけどね。
「企業がいちばん環境を破壊しているのだから、率先して環境問題に取り組まないといけない」はすでに汲フ常識として定着しはじめた。
しかし、「小売やメーカー、商社が販売した商品の回収リサイクルにまでかかわっていく」という常識は、いまはまだ極少数派。
鰍フ「これから伸びてくる常識」だ。
いまのうちから始めておけば消費者につよい印象を与えられるよ。
クルが「新しい常識」になったけれど、家電リサイクル法の以前から始めていたことによって、『通販生活』の回収リサイクル政策は「やるじゃないの」と読者の間でつよい共感をもって迎えられた。
これが家電リサイクル法施行以後だったら、「あ、尻馬に乗りやがって」と思われて共感は半分くらいだったかもしれない。
言うまでもなく、一般商品の回収リサイクル政策もまた、企業への好感をつくりたい一心からの発想だった。
むろん、地球の将来を憂える気持は1人前にもっているつもりだけど、10人前はもっていない。
商品の回収とリサイクルは、いま、もっとも効果のある企業信頼政策だと思う。
地球の将来を憂える気持を人並みにしかもっていない私たちに実行できたのだから、同じく人並みレベルのあなたの企業でもできるはずだ。
尻馬は取り消す、まだ遅くはないよ。
それに、回収リサイクル政策は商品面でもすばらしい効力を発揮する。
たとえば『デロンギヒーター』は性能的にはヨーロッパ製のライバル機と似たりよったりだが、日本国内に回収リサイクルのシステムを持つことで、私たちは胸をはってピカイチに推薦できるわけである。
平準化された商品でも、回収リサイクルのシステムをつけることによって見事に差異化できるのさ。
消費者が私どものところへ届ける回収送料が無料だからだ。
回収送料は私どもが負担するからだ。
『メディカル枕』の中綿がヘタってしまう寿命は、これまでのアンケート調査で平均8年であることがわかっている。
そこで購入後7年経過者(つまり7年前購入者リスト)に対して、買い替えのおすすめDMを出している。
そのとき買い替えてくださった人には、『廃メディカル枕』を無料で引き取ることにしているのだ。
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